めまいぐるぐる、味覚障害、膣の乾燥etc.それ、更年期かも／教えて！高尾美穂先生

更年期の症状は、人によって本当にさまざま。その種類は、なんと200以上にのぼるといわれています。

イライラやホットフラッシュ、睡眠障害といった代表的なもののほか、「え？」と思うような意外な体調変化に悩まされるケースも。

今回は、そんな〈まさかの不調〉を経験したリアルな声とともに、婦人科医・高尾美緒先生にアドバイスを伺いました。

体験談➀ めまい

「世界がず～っとぐるぐるぐるぐる」

●ともこさん
「天井や部屋全体がぐるぐる回っているような感じで、歩くのはもちろん立つこともままならない状態に。トイレにもはっていく日々が続きました。婦人科を受診して漢方薬を処方してもらい、それからは落ち着くまで安静にしているよう心がけました」

FROM高尾先生
「婦人科医はめまいの専門医ではないので、症状が出たら耳鼻科の受診を。 代表的な病気であるメニエール病などの可能性がないか、診断を仰ぎましょう」

体験談② 味覚障害

「ある日突然、味覚がなくなった――」

●あさゆきさん
「まったくといっていいほど、味がわからなくなりました。亜鉛不足もあると思うのですが、病院に行っても原因がわかりませんでした。現在はエクオールやビタミンが補給できるサプリメントを愛用中。体はだいぶラクになりましたが、味覚はいまだに正常値以下です（涙）」

FROM高尾先生
「ホルモンの低下やストレスが原因とも考えられますが、亜鉛不足などほかに原因があることも。耳鼻科や口腔外科の受診をおすすめします」

体験談③ 陰部の乾燥

「陰部が痛くて痛くて、歩行にも影響が……」

●ゆずっちさん
「47歳のとき、陰部の乾燥が気になるようになり、歩くだけで痛みを感じました。 何種類もの下着やおりものシートを試しましたが改善せず。 8種類くらいオイルを試し、 布ナプキンに替えて乗り越えましたが、今でもオイルの塗布は続けています」

FROM高尾先生
「陰部の乾燥にもホルモン補充療法が効果的です。また、自分にとって「いい」と思えるものを探すことは、心の安定にもつながります」

「こんな症状、私だけ？」と思ったときこそ、誰かの体験談で気持ちがふっと軽くなったり。

高尾先生いわく、多くの症状はカウンセリングで解決することもあるそうです。必要以上に不安にならずにすむよう、つらさはひとりで抱え込まずに、誰かに話してみてくださいね。

教えてくれたのは……
高尾美穂先生

女性のための統合ヘルスクリニック「イーク表参道」副院長。産婦人科専門医・医学博士。婦人科の診療を通して女性の健康をサポート。的確かつわかりやすいアドバイスで人気。