
料理僧に教わる、カンタン精進料理『精進なすの揚げびたし』って?【なす1つで】

「精進料理をもっと気軽に」をモットーに活動している、料理僧の青江覚峰さん。レシピの開発だけでなく、精進料理の精神を伝える活動もしているそう。今回ご紹介する「なすの揚げびたし」にも精進ならではの意味があると言います。
「なすなどについている〈へた〉は別名〈台/うてな〉と呼ばれています。これは仏像の下にある台座〈蓮華座〉がへたをひっくり返したような形をしているから。へたを大切に扱い、最後までいただくのが精進料理の精神なんです」。
このような考え方が精進料理のベースにあるので、野菜はできるだけ丸ごと食べるように心がけているとか。そのため、ピーマンの種やわた、ブロッコリーの茎などを使うことが多いそう。


そんな精進ごはんの考え方を取り入れた、なすを丸ごといただくレシピをご紹介。
ぜひへたもしっかり味わってみてくださいね!
『精進なすの揚げびたし』のレシピ

材料(2人分)
なす……4個
〈漬け汁〉
だし汁(昆布)……360ml
しょうゆ……大さじ4
みりん……120ml
揚げ油
作り方
(1)なすはへたの先の枯れたような部分を2~3㎜切り、へたは残す。皮目に縦に4~5本切り目を入れる。
(2)鍋に漬け汁の材料を入れて火にかけ、煮立つ直前に弱火にする。
(3)揚げ油を中温(170〜180℃)に熱し、なすを入れる。3~4分でしんなりとしてきたら取り出し、(2)に入れて5分ほど煮る。
(4)大きな鍋かボールに氷水を入れて(3)を鍋ごと冷やす。粗熱が取れたら冷蔵庫に入れ、1日おく。
(5)長さを半分に切って器に盛る。

教えてくれたのは……青江覚峰(あおえかくほう)さん

1977年東京都生まれ。浄土真宗東本願寺派湯島山緑泉寺住職。米国カリフォルニア州立大学にてMBA取得。料理僧として料理、食育に取り組む。ブラインドレストラン「暗闇ごはん」代表。超宗派の僧侶によるウェブサイト「彼岸寺」創設メンバー。ユニット「料理僧三人衆」の一人として講演会「ダライ・ラマ法王と若手宗教者100人の対話」などで料理を振る舞う。著書に『お寺ごはん』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『ほとけごはん』(中公新書ラクレ)、『お寺のおいしい精進ごはん』(宝島社)など。
https://www.ryokusenji.net/kaku/
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調理/青江覚峰 撮影/長尾明子(minokamo)スタイリング/さくらいしょうこ 文/編集部井上