「のり」のおいしさ再発見!ごぼうとエリンギののり梅あえ【オレペの中の人・福島のうちごはんレシピ】


入社25年(つまり四半世紀)以上のベテラン料理編集者3人が「うちごはん」について気ままに、赤裸々に語るリレー連載。個人的好み全開のオリジナルレシピのおまけつき。

vol.58
入社29年目 独身生活満喫中の福島の場合
『ごぼうとエリンギののり梅あえ』
昔からなじみがあって嫌いでもなく、でも、それほど意識して使ってない食材ってありますよね。僕にとっては「のり」がそう。でも最近、そのおいしさを再発見し、すっかりハマってしまっています。前回「さんまののり風味春巻き」をご紹介しましたが、改めてあのメニューを作ったときに、「やっぱり、のりっておいしいな~」としみじみ感じ、ふだんの食事にものすごく多用するようになりました。スープに入れたり、炒飯にしたり、豚肉の野菜巻きを作るときにいっしょに巻いてみたり……。食べたときにふわっと磯の香りが鼻に抜けるんだけど、でも磯臭いわけではなく、なんというか、香りで料理のおいしさを底上げしてくれる感じがいいんですよね~(伝わりますかね、この感じ……)。もちろん、うまみもありますし、ホントに優秀な素材だな、と。
そんな「のり愛」が高まっている中、先日、友人から「うちにご飯を食べに来ない?」とお誘いを受けました。近くに住んでいることもあって、わりと頻繁に行き来して互いの家で食事(というか、飲みメインですが。笑)をする間柄なんですが、そういうときは何か一~二品作って持ち寄るのが定番。その日は急なお誘いだったこともあり、家にあるもので何か……と思ったところ、あったのが、ごぼうとエリンギ。これを、愛するのりと合わせてみたら、と思って作ってみたのが、今回のこのメニュー。思いつきで作ったわりにはかなり好評で、以来「のり梅あえ」は、自分の食事にも頻出するようになりました。
ところでのりといえば、子どもの頃、僕が住んでいた大阪では「味つけのり」が主流でした。おにぎりに巻くのも味つけのりが定番で、上京したとき、おにぎりののりに味がついていないことに衝撃を受けたものです。実家にいた頃はコンビニでおにぎりを買うという習慣がなかったし、大人になってからも、帰省してもわざわざコンビニおにぎりを買って食べる機会もないので知らなかったんですが、どうやら関西では味つけのりを使ったコンビニおにぎりもあるようで。今年の年末は、二年ぶりに帰省する予定なので、コンビニでおにぎりを買って食べてみるのを、楽しみの一つにしたいと思います。
のりは細かく砕いてみりんに浸し、形がなくなるくらいにするのがお気に入り。全体にのりがからんで、おいしくなる気がします。みりんはのりをしっとりさせるだけでなく、その甘みで梅干しの酸味や塩けをやわらげてくれる効果も。ちなみに梅干しの塩分で味がかなり変わるので、使う梅干しの味によって、分量は調整していただければと思います。
こちらは、「のり梅」を焼いた厚揚げにのせたもの。あえるだけじゃなく、こうしてのっけて食べるのもアリです。厚揚げだと完全に酒のつまみですが、焼いた鶏肉や切り身魚にのせれば、主菜としても成り立ちます。のりと梅干しの組み合わせ、けっこうどんな素材にも合う気がするので、これからいろいろ試してみたいと思います。
オレぺの中の人のうちごはんレシピ
『ごぼうとエリンギののり梅あえ』

材料(2人分)
- ごぼう 1/2本(約100g)
- エリンギ 1パック(約100g)
- 【のり梅】
- 焼きのり(全形) 1枚
- 梅干し 2個
- みりん 大さじ1
- 白すりごま 大さじ1
- ごま油
- ⇒梅干し、僕が使っているのはやや塩分控えめの大きめのもの(2個で50gくらいでした)。塩分表示がなかったので何%かは定かではないのですが、いわゆる昔ながらの、口に入れた瞬間に顔がキューって縮むようなしょっぱさのものではありません。お使いの梅干しの味をみて、量は加減してくださいね。
作り方
- ごほうは包丁の背で皮をこそげ、ささがきにして水に5分ほどさらし、水けをしっかりときる。エリンギは斜めに幅5mmくらいに切る。梅干しは種を除き、果肉をペースト状になるまでたたく。
- 耐熱のボールにみりんを入れ、ラップをかけずに電子レンジ(600W)で20秒ほど加熱してアルコールをとばす。のりを手で細かく砕いで加え、全体にみりんをなじませる。のりがしんなりとしたら、梅肉を加えて混ぜる。
- フライパンにごま油大さじ1を中火で熱し、エリンギを入れて、ときどき返しながら焼く。うっすらと焼き色がついたらごぼうを加え、ごぼうがしんなりとするまで炒める。2のボールに入れて全体をあえ、すりごまを加えて均一に混ぜる。⇒すりごまは後から入れたほうが、のり梅が全体にからみやすいと思います。最初からのり梅にすりごまを入れてしまうと、粘度が上がってからみづらい気がします。

- Editor No.04 福島耕一(通称・フック)
- 大阪府高石市出身。1992年オレンジページ入社。子どもの頃から料理好き。大学時代の一人暮らしで『オレンジページ』に出会い、出版志望ではなかったのに、料理に関わる仕事がしたいとの思いから入社。週末は人が家に集まり、料理をふるまうことも多い。独身。
福島のうちごはんレシピ、
こちらにもあります。
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