大きなチキンが印象的なカレー。ココナッツミルクのおしるこのようなデザートも。どこの国の、何という名前の料理でしょう?
こちらは、先日開催した、ユウキ食品×こどもオレンジページ「難民ごはんプロジェクト親子料理教室~長谷川留理華さんに教わる ロヒンギャ民族の料理」のメニュー。
ミャンマーの少数民族の一つ、ロヒンギャ民族の料理を教わり、親子でいっしょに作りました。
日本人の口に合う、ミャンマー料理とロヒンギャ民族料理

長谷川留理華さん(以下留理華さん)は、ロヒンギャ民族としてミャンマーで生まれ、12歳のときに来日しました。
今回教えていただいたミャンマーのおもてなし料理「チェ シー ピエン」は濃厚な味わいがくせになるチキンカレー。お客さまが来るときに作ることが多い、大人気の料理なのだそう。ココナッツミルクで炊き上げる、フライドオニオン入りのココナッツライスとよく合います。
そしてデザートに、ココナッツミルクベースの「セマイ」。こちらはロヒンギャのデザートで、イスラム教徒のラマダン(日の出から日没まで食べたり、飲んだりせず過ごすイスラム教の断食月)の終わりを祝う、お祭りに食べることが多いメニューです。「バーミセリ」という極細の麺やナッツ、レーズンが入って栄養たっぷりなのだとか。
留理華さんからそれぞれの料理の背景や作り方の解説を聞き、いよいよ調理スタートです!
「チェ シー ピエン」と「セマイ」を作ってみよう
チェ シー ピエンは、ガラムマサラやパプリカパウダーなどのスパイスとヨーグルトで鶏肉を漬け込み、奥深い味わいに。にんにくやパクチーの茎も使い、炒めて、煮込んで、会場はいい香りに包まれます。いつも食べているカレーとは違う初めて出会う料理に、大人もこどもも興味津々。作り方自体はシンプルなので、こどもたちの出番もたくさん!

上手にできました!
このカレーは、スパイシーでありながら辛さはそれほどないので、こどもにも大好評。
ココナッツライスもカレーとよく合うだけでなく、ライスのみを食べても味わい深く(ココナッツのくせはなく、豊かな風味を味わえるのです)、人気メニューというのがよくわかります。
冷やして食べたセマイは見た目よりさっぱりとした甘さで、じんわりしみて元気の出るデザートでした。冬は温めて食べるそうで、そちらもおいしそう……。
世界の難民やこどもたちについて話し、考える時間も

食事の後は、留理華さんとのお話タイム。
現在働きながら5人のお子さんを育てている留理華さんは、難民支援の活動も進んでされています。ミャンマーの少数民族、難民のお話から、世界のこどもたちに安全な居場所や充分な教育を届けたいという思いを、ご自身の経験とともにお話しいただきました。
参加したこどもたちから
「自分が当たり前だと思っていた学校に通うことができないこどもがいるというのを知ってびっくりした」
「難民のことをよく知らなかったので、これから調べて気にかけていきたい」
などの感想が。「こどもたちにしっかり伝わっているのが何よりうれしい。勇気をもらえた」と話す留理華さん。
初めて出会う料理を作って味わい、世界のことを知るきっかけとなる親子講座は大成功でした!
「(今回参加できなかった)パパやお兄ちゃんにも作ってあげたい!」と話す子も。
それぞれの家庭で親子いっしょに作って食べ、家族の楽しい時間を過ごしてもらえたらさらにうれしいです。
料理教室で使用したココナッツミルク、ナンプラー、フライドオニオンやいくつかのスパイス類は、ユウキ食品(YOUKI)のもの。ユウキ食品ではイスラム教徒の方々向けのハラール認定商品も多数取り扱っています。
今回のレシピは『こどもオレンジページ No.5』に掲載しているので、気になる方はチェックしてくださいね。

長谷川留理華さん
ロヒンギャ民族としてミャンマーで生まれ、軍事政権に弾圧を受けたため、2001年に、12歳で来日。結婚後に、日本国籍と日本の名前を取得。「日本で生まれ育った5人のこどもたちに、ロヒンギャの文化を伝えたい」。そんな強い思いで、故郷の料理を作りつづけているそう。バングラディシュのロヒンギャ難民キャンプに学校を建てるなど社会活動も積極的に行っている。
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