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【漫画】オムライス対決の結果やいかに!/『ヤンキー君と科学ごはん』(5)

ヤングジャンプ編集部が運営する無料Webマンガサイト『となりのヤングジャンプ』で好評連載中の『ヤンキー君と科学ごはん』。単行本第1巻が3月17日に発売されたばかりの、話題のまんがをお届けします!

化学教師の蘭は担任を務めるクラスの問題児・千秋の留年回避のためマンツーマンで補習をすることになる。 科学に基づいて作られたオムライスを一口食べ、そのおいしさに驚く千秋。これからの補習に科学の料理をリクエストするのだった。

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©岡 叶/集英社 無断転載禁止

こうして世にも珍しい「科学の料理」による補習がスタート。千秋は無事に進級できるのか、二人の料理の腕は上達するのか……、乞うご期待ください!

また、『ヤンキー君と科学ごはん』の監修者である料理研究家の樋口直哉さんによる解説も必見。下記の「樋口直哉さんからの解説はこちら」をぜひチェックして。

–{科学ごはんの監修・樋口直哉さんからの解説はこちら}–

 オックスフォード大学の物理学者で分子料理の父とされるニコラス・クルティは1969年にこう言っています。
「我々は金星の温度さえ測れるのに、スフレのなかで何が起こっているのか知らないというのは、文明として反省すべきだろう」

 料理は長い間、科学的な興味の対象ではありませんでした。料理には何十年、何百年、何千年と培われてきたレシピがあり、それに従っていれば良かったからです。ただ、レシピは「How どうやって」は教えてくれますが「Why なぜ」の答えは教えてくれません。うまく行くときにはいいのですが、うまく行かなかったときはその理由がわからない。それがこれまでの料理でした。

「料理のプロセスで何が起こっているのか」
 それを明らかにするのが調理科学という世界。今日は「鉄のフライパンに食材がくっつく理由」について考えてみましょう。フライパンの表面を顕微鏡でのぞくと、目に見えないヒビや突起があります。卵を注ぎ、火にかけるとタンパク質が反応して、固まってきますが、それがこの凸凹にしがみつくと「くっついて」しまいます。
それを防ぐには隙間を埋めるために油を注ぎ、表面に火が通るまではかき混ぜたり、動かしたりします。タンパク質は固まってしまえばそれ以上、反応しないからです。

 フッ素樹脂加工のフライパンはなぜくっつかないのでしょうか。表面が「ツルツル」で、しがみつく足場がないからです。フッ素樹脂はC(炭素)の両端にF(フッ素)が毛虫のように突き出した形状で、あらゆる分子と結合しません。つまり、物理的にも化学的にもくっつかないのです。逆に言えばフッ素樹脂加工が傷ついたり、剥がれたりして表面が「でこぼこ」になってしまうと、食材がくっついてしまいます。

 フッ素樹脂加工は剥がれやすいのが弱点でしたが、最近は大理石を混ぜたマーブルコート、ダイヤモンドを混ぜたダイヤモンドコート、チタンを混ぜたチタンコートなど剥がれにくい加工が増えています。フッ素樹脂加工は空焚きや急冷を避け、やわらかいスポンジで洗うだけでかなり長持ちします。知っておいて損はないでしょう。

作品情報

『ヤンキー君と科学ごはん』岡 叶