キッチンで、コツコツと卵を割っていたら「やりたい~!」とこどもにせがまれたことはありませんか?
「なんでもやりたがるこどもに料理の手伝いをさせたいけれど、自分に余裕がないとなかなかできず……」という本音も聞こえてきそう。
ていねいに教えたり、ゆっくり作業するのを待ったり、失敗したらやり直したり、とこどもと料理するのはなかなか根気のいること。
でもでも、いいこともたくさんあるんです!
親子で料理すると、いいことがいっぱい!
「親子で料理を作るときの最大のゴールは、こどもといっしょに楽しむこと」と話す、子ども料理研究家の武田昌美さんに、親子で料理することで身につく、(料理スキルとは別の)いいことをうかがいました。
1 失敗をこわがらなくなる
失敗しても、親が「大丈夫だよ!」と笑顔で伝える。これだけで、こどもは「失敗を怖がらなくていいんだ!」と理解します。そこから別の料理にアレンジしたり、次にもっと上手にできた経験を積むことで、失敗の次の行動が大切だと、身をもって実感することができるんです。
2 自信がつく
こどもは試行錯誤を繰り返しながら、最後に料理を完成させることで、自信をつけます。そして、親に「おいしい!」と食べてもらうことで、その自信が「がんばれば何でもできる!」という確信に変わります。こどもにとって、料理は最高の成功体験の場なんです。
3 親も成長できる
「ひとりで最後までやり遂げる」経験は、こどもの自立に大事なこと。でも、親にとっては口も手も出さずに見守るのって、とてもむずかしいですよね。だからこそ我慢して見守ることができたとき、親の成長、自信にもつながります。これを具体的、かつ手軽に体験できるのが料理です。
まずは、五感で楽しめる要素がたっぷりの「卵割りチャレンジ」を、親子でやってみましょう!
–{卵を割ってみよう}–
卵割りチャレンジ、やってみよう!
1 ボールはおへその前に
よくある失敗が、ボールの外に卵を割ってしまうこと。ボールは体の正面に近づけて、「ここに割るよ」と確認してあげて。
2 平らなところでたたいてひびを入れる
平らな場所で割るとひびが大きく入るので、ボールに殻が入っても、かけらが大きく、取るのも簡単です。
3 ひびに親指を入れて割る
ボールの上で(これが大事!)、卵のひびに両手の親指をぐっと入れて、やさしく開きます。
ボールをおへその前、体に近づけて置き、「ここに割るよ」とボールの中に指差し確認をする。それだけで不思議なくらい成功する率がぐーんと上がるんです。
武田さんの教室では、レッスンでたくさんのこどもが卵を割りますが、失敗する子はほとんどいないそう。
さらに効果的なのが、「失敗してもいいよ、ほら、まだたくさんあるよ」と卵の予備を見せて安心させること。実際に失敗してしまっても、「大丈夫だよ」と笑顔でリカバーすれば、こどもは失敗をこわがらなくなります。
武田さんがたくさんのこどもたちと接することで導き出してきた卵割りのコツ、ぜひ試してみてください。
卵が割れたら、卵焼きや目玉焼き、パンケーキなど、好きな料理を作りたい、という気持ちもわいてきますね。そう、オムライスも!
ここでは、こどもにも作りやすい、電子レンジで作るオムライスのレシピを紹介します。
–{いよいよオムライス作りにトライ!}–
卵が割れるようになったら、オムライスを作ろう!
ケチャップライスも卵焼きも、電子レンジで作るから簡単! 火を使わずにできるオムライス、さあ、作ってみましょう。
「レンチンオムライス」のレシピ
材料(1人分)
<ケチャップライス>
温かいご飯… 茶碗1 杯分(約150g)
ホールコーン(缶詰)… 30g
トマトケチャップ… 大さじ1
バター… 5g
<卵液>
卵…1個
牛乳… 大さじ1
塩… 少々
こしょう… 少々
トマトケチャップ…適宜
下準備
ラップを16×20cmくらいに広げ、真ん中にトマトケチャップ適宜をのせ、茶巾包みにして閉じ目を輪ゴムで留める。コーンは缶汁をきる。
作り方
1 ケチャップライスを作る
口径17 ~ 20cmの耐熱のボールに、トマトケチャップ、コーン、バター、温かいご飯を順に入れ、電子レンジで1分ほど加熱する。へらで全体に味がなじむまで混ぜる。
2 卵液の材料を混ぜる
別の口径17 ~ 20cmの耐熱のボールに卵を割り入れ、泡立て器で混ぜる。残りの卵液の材料を加え、さらに混ぜる。
3 電子レンジで加熱する
ふんわりとラップをかけ、電子レンジで1分ほど加熱する。
4 卵をほぐし、さらに電子レンジで加熱
ラップをはずし、泡立て器でトントンとたたきながら卵をほぐす。卵の形を丸く整え、ふんわりとラップをかけて、電子レンジで1分ほど加熱する。
5 器に盛る
器にケチャップライスを盛る。1のボールの底にくっついた卵をへらでそっとはがして、ボールを返しながらケチャップライスにのせる。ケチャップを入れたラップにつま楊枝を刺して穴をあけ、卵に好きな絵を描く。
完成!

細かい部分のコツや、こどもへの声かけのポイントなどは、誌面や動画で詳しく紹介しているので見てみてくださいね。
(『こどもオレンジページNo.5』より)